ジークアクス最終回を見ました。二次創作として大変面白かったです。本作中のニュータイプという存在は、共感能力が飛躍的に増大し、本来なら人と人の分離を統合に導く世界の先駆者になるはずなのに、なぜかニュータイプ同士が共感でつながるのでなく、思想によって対立し、戦争の道具として消費される、あるいは人間を信じきれずに絶望する悲劇的な存在として描かれてきました。これは人間が持つ共感能力が、人が生来持っている生存本能、痛みの回避行動によってうまく機能できない様子を表していたように思います。その最たる象徴がシャアという存在でした。
しかし本作の主人公であるアマテ(マチュ)は、生存本能を超えて、共感能力(愛)によってシリーズ中でおそらく初の「不殺の主人公」となりました。相手への共感と信頼によって世界を肯定しました。この世界線のシャアとララアは、幾多の世界線を超えてようやく平穏に包まれました。
今リアルタイムで世界が争いの真っ只中にありますが、本作は「人間の可能性を信じたい」人々が生み出したパラレルワールドである、という気がするのです。